2026.05.13
作曲家大野雄二さんの訃報に際して、時は淡々と流れていると、釘を刺された気がした。
大野さんは、私が少年期に視聴していたアニメや時代劇、旅番組まで、耳に残るメロディを多数手がけた方です。
「ルパン三世」シリーズの楽曲を作られたことは有名な話ですが、中でも『国境は別れの顔』(PART2シリーズ 第58話)の挿入歌として流れた次元大介のテーマ曲「トルネイド」を聞いた時は、あまりのカッコ良さに衝撃を受けました。
他に大野さんの曲で、現在でも時折、ふと聞きたくなる曲があります。NHKの紀行番組『小さな旅』のテーマ曲です。双方ともに、どこか物悲しい旋律が心に響きます。
途中盛り上がりを見せながら、また哀愁深い旋律へと続く曲調が、流れゆく時間を示唆しており、儚さを呼び起こします。「今日」のことだったり、人の「一生」だったり、勝負の「1時間」だったり。
楽しかったり、つまんなかったり、嬉しかったり、悲しかったり。この曲を聴くと、どの状態も、ずっと続くことは無いということを思います。曲を聴いた時々の心情で、去来することも様々です。
そんな曲を聴きたくなる理由はどこにあるのか。急に聴こうと思い立つのは何故なのか。明快な答えは見つけられないのですが、何となく「郷愁」と似たような心持ちを感じるのです。
故郷を懐かしむように、遠い日に抱いた心を再び抱きたいという欲求がふと降り立つといった感覚です。
過ぎ去りし時が増えていくにつれて、その機会はますます増えるかもしれません。
ふとした時に救いを頂いたことへ深い感謝を添えて、ご冥福をお祈りいたします。合掌。
・ルパン三世 PART2 第58話「国境は別れの顔」
・「小さな旅」(NHK『小さな旅』主題曲)
※カバー写真は、連休明け調達サイクリングで購入したお野菜。